
白川郷に並ぶ合掌家屋を見て、驚くのはその大きさ。何十人も暮らせる大きな家屋に、歴史を積み重ねてきた重厚な佇まいを見せています。さあ、中に入ってみましょう。

家屋の1階は、専門技術を持つ大工が軸組を造ったもの。ここは「おえ」と呼ばれる居住空間で、一家団らんの間として使われた大広間です。「おえ」の真ん中に据えられた囲炉裏は、暖房や食事の煮炊き、照明としての役割はもちろん、煙が屋根裏の部材をいぶすことで、防虫や防腐にも役立っています。
合掌家屋は屋根の大きさからも分かるように、屋根裏が驚くほど広々としています。専門の大工が造る一階部と違い、大きな屋根は「結(ゆい)」と呼ばれる白川郷独自の互助システムにより、村人みんなの手で作り上げたもの。屋根裏は「あま」と呼ばれ、養蚕や藁仕事の作業場として使われました。江戸時代から始まった養蚕を行うため、屋根裏に棚を設けたことが、屋根の大きな合掌家屋の始まりともいわれています。
現在一般に公開されている家には糸巻きや糸車などが残るところもあり、かつての生活を偲ばせます。養蚕の名残以外にも、屋根裏では釘で固定することなく、乾燥するとしっかり締まるマンサクの若木・ネソで縛られた屋根組や、煤けることにより針金のように強くなった縄などを見ることができます。部材の結束に釘を使わないことで弾力性が生まれ、雪の重みや強い風を受け流せるようになっているのだとか。その技術や知恵に驚くばかりです。
先人の知恵は、屋根の造りにとどまりません。夏を涼しく、冬は保温されるよう白川郷の風向きと日照量を考慮して、建物は南北に面して建てられ、屋根が東西方向に斜面になっています。集落の裏手から伸びる山道の先の荻町城跡展望台からは、集落全景を一望でき、家々の向きが美しく揃う様子を見ることができます。茅葺き屋根と緑豊かな田園が繰り広げる景観は、まさに日本の原風景。先人たちの知恵の結晶ともいえる合掌集落の美しい眺めを胸に、旅を締めくくりましょう。※天候により景観がきれいにご覧いただけない場合がございます。
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白川村役場

